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個包装に置いた傘

胃の手術のあと、主治医から梅もグミも粘膜を刺激するから、ひと月は我慢しましょうと言われていた。手術から二か月弱。昨日は食べようと思いながらも、結局手が伸びなかった梅味のグミを、今日になってようやく口にした。どこか身構えてしまう自分がいたけれ...
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カーブミラーに映る涙

6時間眠ることができた。自然と目が覚めた朝は久しぶりだ。あの人の「ぼちぼちいきましょう」という光。声に出して言われたわけではないのに、その優しさは確かに胸に落ちて、昨晩の自分をそっと包んでくれるようだった。部屋はしんとしている。時計を手に取...
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いつか、少年のまなざしで

トマトおでんを食べた。トマトの酸味が強く出て、それはそれで良かったけれど、もう少し出汁が強くても美味しいかもしれない。もうひとつのトマトは、昆布だしでゆっくり煮てみようと思う。明日はメンタルクリニックの通院日。睡眠については大きな変化はない...
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味を染み込ませるように

午後はおでんの仕込み。トマトの湯剥きのために氷水に手を入れた瞬間、「ああ、自分は今、料理をしているんだ」と実感できた。料理が好きな自分を、そっと思い出せる時間。手を動かしているだけで、気持ちが少し落ち着いていく。トマトの皮は、一枚ずつ慎重に...
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冬空のイースター

昨日は選挙速報を眺めていたら、気づけば夜更かししていた。就寝は午前2時。睡眠は5時間ほど。その短い眠りの中で、夢を見た。駅前の大きな交差点。壇上に立ち、働けない悔しさを、胸をつかむほどの痛みと一緒に叫んでいた。誰に向けてでもない叫び。それで...
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青い雪の降る方へ

あの人から光が届いた。心配してくれているような、物陰からそっとのぞく控えめな光に、大丈夫だよと返したくなった。午前中の僕は、あの人のことや、体のこと、仕事のことを考えて、気持ちが少し沈みかけていた。働きたいのに思うように動けない自分に、ふと...
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川の音に隠す声

あの人からの光は、今日はまだ届かない。クッキーは可愛くできたと思ったけれど、心が少し揺れた。それでも、焦らないと決めたのは自分だ。ゆっくり、ぼちぼち、積み重ねていけばいい。未来は、空白のままでいい。その空白が、きっと息をつく場所になる。今日...
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立ち並ぶ煙突に

お昼前、診察が終わった。8時半からの診察で、少し早めに着いたけれど、すでに20人ほどの方たちが並んでいた。朝の冷たい空気の中で、白い息が工場の煙突からの煙みたいにゆっくり立ちのぼっていく。まるで、人の弱さや苦しさが“煙”として空へ逃げていく...
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室内の“くま”と“いぬ”

可能性は無限大。そう自分に言い聞かせる。未来はまだ空白で、どんな色にも染められる。だから大丈夫。何度も、何度も、胸の中で繰り返した。今日は晴れたり曇ったり。気分も同じように揺れ動いていたけれど、その中でひとつだけ、はっきりと光が差した出来事...