大切な人

勉強

心の真ん中を歩くため

今日は少しだけ、新しい自分を試してみたい気分だった。復職に向けて身体を慣らしている最中、以前の場所から届いた突然の連絡。画面に表示された名前を見た瞬間、過去に引き戻されそうになったけれど、僕は静かに、その連絡を受け取らないことを決めた。後悔...
仕事

春先の向日葵のように胸を張ろう

春らしい穏やかな日差しが部屋に差し込み、一日の始まりを告げていた。今日はメンタルクリニックの通院日だ。いつもなら運転で向かうところだが、左目を痛めているため、相棒である車は家でお留守番。代わりに、今日は初めて路線バスを使って向かってみること...
読書

片方の視界と一番星

窓の外には、薄い雲がヴェールのように広がっている。眩しすぎる光を遮ってくれる今日の空は、左目に軽傷を負い、眼帯をして過ごしている僕にとって、少しだけ優しい。視界が半分になることで、皮肉にも、いつもは見過ごしていた小さな心の揺れに、じっと耳を...
読書

そこに工場があるかぎり

パンの光が無事にあの人のもとへ届いた。言葉をもらえて、僕の胸の奥には、確かな温かさが広がった。あの人がパンを大好きなことは、もちろん知っている。だからこそ、大好きなパンを前にして、あの人が見せるであろう、こぼれるような幸せそうな表情を想像す...
思い出

ハートに巻いた眼帯を

バレンタインのあの日、あの人はチョコレートの代わりにパンの光をくれた。それは、凍えていた心にそっと灯がともるような、柔らかな贈り物だった。今日はホワイトデー。あの日のお返しに、僕もパンの光を届けた。この静かな感謝が、どうかあの人のもとへ真っ...
思い出

前向きの僕と、上向きのクローバー

昨晩の空は、吸い込まれるほどに澄んでいた。大切なあの人が教えてくれた星空。僕はカメラを回し、その瞬きを静かに記録した。社会から少し離れ、思うように動けない自分に対して、どうしても焦燥感ばかりが募ってしまう。視線は自然と下を向き、暗い足元ばか...
趣味

耳から温まる、冬の三つの空

窓から差し込む光が、部屋の隅で静かに形を変えていくのを眺めていた。時計の針が一周、また一周と無機質な音を刻む。お昼過ぎまで、僕はただその流れの中に身を任せ、ぼーっとしていた。心に薄く張った氷のような違和感を、あの人は遠くから察してくれたのだ...
思い出

六畳一幕の願い星

目が覚めてから一時間が経つ。掛け布団の模様を眺め、次は丸まって敷布団の模様をじっと見つめていた。「笑う」とは、どんな感覚だっただろうか。最後に表情筋が動いたのは、初笑いの日か、あの人と話せたあの日だったか。布団に潜り込むと、次第に酸素が薄く...
勉強

僕が僕のために作った雲

朝、ゴミ出しのついでにポストを覗くと、全国健康保険協会から一通の封書が届いていた。中身は、以前提出した傷病手当金申請の返戻だった。書類の「業務上の傷病」欄にチェックを入れていたことが、差し戻しの理由らしい。業務上だと言うのなら、まずは労働基...
仕事

八百余段先のクッションに

休職という凪のような時間の中に身を置いているせいか、最近はどうも日付の感覚が朧げになっていた。今日が何月何日であるか。それを思い出させてくれたのは、あの人の言葉だった。日付は変わったが、今日も、感謝を伝えるために僕は山へ向かう。昨日からずっ...