読書

読書

片方の視界と一番星

窓の外には、薄い雲がヴェールのように広がっている。眩しすぎる光を遮ってくれる今日の空は、左目に軽傷を負い、眼帯をして過ごしている僕にとって、少しだけ優しい。視界が半分になることで、皮肉にも、いつもは見過ごしていた小さな心の揺れに、じっと耳を...
読書

そこに工場があるかぎり

パンの光が無事にあの人のもとへ届いた。言葉をもらえて、僕の胸の奥には、確かな温かさが広がった。あの人がパンを大好きなことは、もちろん知っている。だからこそ、大好きなパンを前にして、あの人が見せるであろう、こぼれるような幸せそうな表情を想像す...
旅行

洗礼の風に吹かれて

昨日から、どうにも気持ちが塞いでいた。芸術に触れ、ビジネスの視点に触れ、頭では多くの刺激を受け取っているはずなのに、心だけが置き去りにされているような、そんな感覚。だからだろうか、理屈ではない自然という大きな存在に触れたくなった。行き先は、...
勉強

足元を照らす月明かり

雲ひとつない春の陽気。空は驚くほど高く、心は羽が生えたように軽かった。あの人の魔法の言葉のおかげで、心がほぐれたから。マットでストレッチをしながら、少しずつ、次は体を解きほぐしていく。「徐々にでいい」そう自分に言い聞かせながら、ひとつひとつ...
読書

時間に追われない場所

晩御飯はご飯100グラム、納豆、卵焼き。よく噛めば、これだけでお腹いっぱいになる。図書館で、胃を切った人のための食事について書かれた本を借りた。僕の場合は部分切除なので、必要以上に神経質になることはないのかもしれない。それでも、次の検査が6...
旅行

六畳一間の世界旅行

図書館に向かったあと、カーショップに行くつもりだった。けれど、足はそちらに向かなかった。小さな違和感のようなものが、そっと肩を引いた気がした。静かな空間で、借りてきた本を開く。集中は途切れながらも、ロボットの本と、もう一冊『WE HAVE ...