太陽が少し遠く感じる朝だった。白でも青でもない淡い灰色の空が広がり、街の屋根には冷気が静かに積もっていた。
大切なあの人の光も。けれど、心が揺れるときほど「安心していてほしい」という願いは静かに強くなる。
自分の呼吸が整えば、その落ち着きはきっとあの人にも届くと信じている。
冷たい空気が頬を刺し、指先は冷え、呼吸も浅くなる。そんな朝に浮かぶのは、あの人が今日も暖かく過ごせていますようにという祈りだ。
息をゆっくり整えながら、揺れの中にもぼちぼち、歩ける道があることを思い出す。
今日は配送先に直行する指示があり、毎日のトイレ掃除やラジオ体操ができなかった。積み重ねが途切れると、胸の奥に小さなざわつきが生まれる。
でも、工夫すれば続けられる。公園に立ち寄り、YouTubeで体操を再生して体を動かした。遠くで体操をしていた高齢の方たちは、自分よりもずっと背筋を伸ばしていた。その姿にしばらく見惚れてしまった。
あんなふうに歳を重ねたい。曲がった背筋を伸ばしたい。揺れる線を育てる一年にしたい。
できない日があっても、できるところを積み重ねる。その日の形で整えていけばいい。
胃の調子もあって昨日はアイスを食べられなかった。けれど諦めず、豆腐とヨーグルトでアイスを作ってみた。
食べられないなら作ればいい。創作意欲は消さない。
こういう小さな工夫も、未来へ続く安心の灯りになる。帰ったらそのアイスを味わうつもりだ。こういうささやかな楽しみが、日々の支えになる。
午後は塗装会社に行き、調色の相談をした。鉄とステンレスの塗装会社に足を運ぶのは入社して初めてだ。専門用語が飛び交い、頭が追いつかず二度聞き直す場面もあった。
集中が難しい日もある。それでも理解しようとする姿勢は、安心を届ける力になると思うから。投げ出さずに向き合う気持ちは、「大丈夫だよ」と伝える光に変わっていく。
信号待ちのあいだ、ふと1月1日の朝に撮った日の出の写真を開いた。
今日の空は淡いけれど、あの日の光は今も確かにここにある。
過去の光を思い返すたびに、今日を支える余白がそっと生まれる。
遠くに感じる太陽でさえ、記録の中ではすぐそばに寄り添ってくれる。
あの人から届いた二つ星の光も、同じように今の自分を支えている。
未来へ続く道を静かに照らす、揺るぎない安心のしるしだ。
寒さに包まれて気持ちが揺れる日もある。
それでも、今日できることを一つずつ、無理のないリズムで続けていけば、道は自然と伸びていく。
ぼちぼちでいい。余白があっていい。
揺れながらでも、焦らず止まらず進めている。
だから、どうか心配しないで。
届いた光が、今の自分をそっと支えてくれている。
その光があるから、無理をせずに整えていける。
だからこそ、あの人も自分のペースで整えられますように。
急がなくていいし、揺れていても大丈夫。
光はちゃんと届いていて、未来へつながる道を照らしているから。


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