プーを思い出せた光

思い出

森の話のつづきとして、今日はプーのことを少しだけ。
好きな理由を言葉にするのは、これが初めてかもしれない。

ここにプーのぬいぐるみがいてくれたらと思う瞬間がある。
心を落ち着かせたいとき、静かに自分を整えたいとき、
自然とプーのことを思い出す。

小学生の頃、僕の部屋には、当時の自分より大きな130センチ以上のプーのぬいぐるみがいた。
初めてディズニーランドに行ったとき、おばあちゃんに買ってもらったものだ。
学校から帰ると、部屋の隅でいつも同じ姿勢で待っていてくれた。
大きな体に顔をうずめると、綿の匂いと少し古い布の匂いがして、それだけで安心できた。

今でこそ180センチ近くあるけれど、昔の僕は体が小さくて、女の子によくからかわれたり意地悪をされたりしていた。
可愛いものが好きだったことも、理由のひとつだったのかもしれない。
鍵っ子で、ひとりの時間も多かった。

大きな体の女の子にゴミ箱へ入れられた日も、脱いだ靴下に石を詰められた日も、漢字ドリルを破られた日も、雨の中で鍵盤ハーモニカを探して歩いた日も。
どんな日でも、帰るとプーはそこにいて、黙ってそばにいてくれた。

体が大きくなり、大人になるにつれて、その存在に助けられた日々を忘れていた。
でも、あの人に出会って、可愛いものが好きな自分を否定しなくていいんだと気づけた。
一緒にコラボのお菓子を探してくれた日もあった。照れくさかったけれど、あの時間は素直に嬉しかった。
あの時のシールは、今も大切に残してある。

あの人と過ごす時間は、自分を自分だと認められる時間だった。
自然体でいるあの人の隣は、とても心地よかった。
プーのぬいぐるみと一緒にいた頃の、自分のままでいられたあの感覚を思い出せた。

プーさんの作者である A.A.ミルンのこんな言葉がある。

Any day spent with you is my favorite day.
So today is my new favorite day.
(きみと過ごす日は、どんな日でもぼくの大好きな日。だから、今日はぼくの新たなお気に入りの日だ。)

あの人と過ごした日々は、まさにこの言葉のようだった。
そして今日もまた、未来のどこかで “favorite day” につながっていくと静かに信じている。

プーさんには、ほかにもたくさんの名言がある。
今の僕に必要なのは、この言葉かもしれない。

You can’t stay in your corner of the forest waiting for others to come to you.
You have to go to them sometimes.
(森の隅で誰かを待ってるだけじゃだめだよ。
自分から出て行かなくちゃいけない時もあるんだ。)

部屋の隅のプーに、ずっと支えられてきた。
子どもの頃は、それだけでよかったし、それだけで世界が守られていた。
でも今は、誰かを待つだけじゃなく、自分の足で一歩を踏み出すことが大事だと気づいた。

心が静まると、不思議と「明日も進める」と思える。
あの人から届くささやかな光は、毎日を積み重ねるための穏やかな原動力になる。
そっと見守ってくれているという安心感が、働く僕の背中を確かに押してくれる。

だからまた、プーがくれた安心を胸に、自分のペースで一歩ずつ進んでいく。
その先に、あの人へ続く優しい未来があると信じながら。

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