双子の星に願いを

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夜空に流れ星を見た。ふたご座流星群にはまだ少し早いはずだが、偶然のように青白い光が走り抜けていった。願いを三度唱える間もなく消えてしまったけれど、その一瞬は確かに心に残った。

眠れない夜が続き、疲れが取れない日々の中で、明後日の検査結果を待ちながら過ごしている。時間が止まってしまったように感じることもあるけれど、流れ星を見た瞬間だけは、ほんの少し救われたような気がした。

ふたご座流星群は、毎年12月に安定して多くの流星が見られる三大流星群のひとつだ。母天体は小惑星ファエトンで、彗星ではなく小惑星が母天体という珍しい特徴を持っている。暗い場所では1時間に60個以上の流星が見えることもあり、天文ファンにとっては「年間最大の流星群」と呼ばれるほどだ。さらに、同じように小惑星を母天体とする流星群には、1月の「しぶんぎ座流星群」がある。こちらは小惑星2003 EH1が母天体とされ、かつて彗星だった可能性もあるという。彗星と小惑星の境界を示す存在として、どちらも天文学的に特別な意味を持っている。

ふたご座流星群。その名前に、自分の星座が重なることに運命を感じる。ふたご座を形作る二つの星、カストルとポルックスは、ギリシャ神話で「離れても再び結ばれる」双子の兄弟として語られている。兄カストルが死んだ後、弟ポルックスは「兄と離れたくない」と願い、二人は夜空に並ぶ星座となった。その物語は、離れ離れでも再び出会えるという希望を象徴している。

私が大好きな映画『君の名は。』にも、同じ願いが描かれている。黄昏時(たそかれ時・誰そ彼時)に瀧と三葉が互いの名前を伝えようとする場面は、何度見ても涙が溢れる。離れ離れでも、時間がかかっても、再会できる日を願う純粋な愛。その物語は、今の私の心情と重なる部分がある。大切なあの人を想うことを許されたい。自分の病を治し長く生きたい。仲間との絆がまだ残っているのか確かめたい。欲張りかもしれないが、そんな願いを抱えながら、夜空を見上げている。

流れ星は消えてしまったけれど、偶然見かけたあの青白い光は確かに私の心に残り、記録となった。昨日の私も今日の私も、この苦しみと願いを未来へ繋げていきたいと思う。

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