手のひらに宿る表情

思い出

ライブの感想を大切なあの人に伝えたら、にっこり笑顔で返してくれた。
あの人の分まで楽しんだことが、ちゃんと届いたのかもしれない。
胸の奥の乾いていた土に、やわらかな緑が芽吹くような感覚があった。
もしブログも読んでくれていたらうれしい。

花は光で育つ。
あの人の光が僕の光になるように。
そして、僕の光もあの人の光になれたらいい。
今日の午後は、そんな願いが自然と胸に浮かんで、
自分をもっと高めたいと思えた時間だった。

昨日のブログで話せていなかった、自分を整えるための太郎クリアファイル。
そして、もうひとつ持ち帰った小さなお土産がある。
中之島美術館のシュルレアリスム展示の出口で出会った
「CAOMARU Tomato(カオマル トマト)」だ。

展示を見終えたあとの余韻の中で、ふと視界に入った表情豊かな野菜たち。
美術館の静かで張りつめた空気の中で、そこだけ少し柔らかい温度が漂っていた。

美術館には、美術に向き合う人たちの匂いがあった。
静かで、集中していて、少し緊張感のある空気。
坂井さんも、音楽の道を進む人ながら、箱根の森のピカソを見に行ったらしい。
表現する人は、表現を見る人でもある。
そんなことを思いながら、僕はトマトを手に取った。

他の野菜もあったけれど、迷わずトマトを選んだ。
あの人がよく食べていた姿がよぎったからだ。
もちろん、このトマトを食べるあの人を想像しているわけではない。
みずみずしいトマトを頬張る、あの姿を見るだけで幸せだった時間が、
手のひらの中の柔らかい感触と一緒にふっと蘇った。

ちょっとしたジョークアイテムかと思いきや、握り続けると意外と腕にくる。
筋トレ前のウォームアップにも良さそうだ。

細くなった腕を、あの頃の太さに戻したい。
守りたい人を守れるくらい、強い人間になりたい。
まずは自分自身を守れるように。

弱い自分も自分だと理解はしている。
でも、必要なときに必要な力が働くように、
体を動かす心を強くしたい。
嫌なことや辛いことからも逃げたくない。

トマトを握りしめていると、そんな気持ちに火がついて、自然とジムへ向かっていた。

昨日のライブで受け取った曲たちを、YouTube Musicでそのまま並べてセットリストにした。
その音に身を委ねながら身体を動かしていると、テンポと自分の運動が自然にリンクしていくことに気づく。

緩やかな曲は、ネガティブな運動と重なる。
ゆっくりとした動き、呼吸を整える時間、内側に向かう気持ち。
音が寄り添ってくれて、心が静かに落ち着いていく。

明るくテンポのある曲は、ポジティブな運動と重なる。
身体が前へ進みたくなるようなリズムで、筋トレの追い込みにも力が入る。
音が背中を押してくれて、気持ちが上向いていく。

こうして、音と身体がリンクしていくと、トレーニングそのものが心の調律になる。
音楽たちが、動きと心のあいだをそっとつないでくれる。
自分の伸び代はまだまだある。
歳なんて感じさせないくらいに、心も体も健康でいたい。

帰り道、無印良品で黒豆ルイボス茶と羊羹を買った。
日が傾くと、風がいっそう冷たく感じられた。
あの人は大丈夫だろうか。どうか暖かくしていてほしい。

家に戻って、サモおのクッキーをひとつ。
少しもったいない気もしたけれど、食べない方がサモおに悪い。
見た目がかわいいと、味も美味しく感じる。
「次に会うときはもっと可愛くしてあげるからね」と伝えながら食べた。
改善点はノートに書いてあるから、次はもっと上手くできるはず。

今日の午後は静かだけれど、確かな前進があったと思う。
あの人の笑顔、トマトの手触り、ジムでの熱、心の余白を保つ音楽、
そして可愛いクッキーの味。
どれも自分の未来へ繋がる光になっている。

未来はまだ空白のままでいい。
決めつけない自由があるからこそ、今日の光が前へ進む力になるのだから。

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