春を告げる子犬

記念すべきポケモン第10世代。
発表された御三家の姿を見て、その名前の響きに触れた瞬間、愛おしさが込み上げて、視界がぐわんと揺れた。

四季の春を韓国語にすると「ポム」
そして、この子のモチーフは「ポメラニアン」
まるで神様が描いたシナリオのように、あまりに不思議な巡り合わせ。
一目惚れだった。

けれど、それは単なる可愛いという感情を超えて、胸を締め付けるような疼きと共にやってきた。
ふと思い出すのは、あの日の景色。
大阪へと向かう名神高速道路、桂川パーキング付近。
突き抜けるような青空の下で、あの人と初めて韓国語の話をした。
雲の少なかったあの空の色を、僕は今でも鮮明に覚えている。

本当は、今すぐにでもペンを握りたい。
大好きな絵を描きたい。
サモおの隣に、ポムケンを並べて描いてあげたい。
韓国語をまた勉強したい。

なのに、体が動かない。
心はこんなにも叫んでいるのに、指先が言うことを聞いてくれない。
学びたいのに、描きたいのに、生きたいのに。
思い描く理想と動けない現実の間で、涙が止まらなくなる。

なぜ、こんなにも不思議な一致が起き続けるのだろう。
なぜ、こんなにも苦しいほどに心が揺れるのだろう。
運命なんて言葉で片付けたくない。

この不思議な巡り合わせは、僕の細胞一つ一つに忘れちゃいけないと語りかけてくる。
細胞も、運命も、この消えない情景も、抑えつけることなんてできない。
胸を掴まれるように苦しくて、涙が止まらない。

でも、この苦しさは、それだけ僕があの人を、この世界を想い続けている証拠なんだと思う。
ポムケン。春を告げる子犬。
この子が僕の前に現れた意味を、受け止める勇気はまだない。

今はまだ、ペンが持てないかもしれない。
それでも、いつかまた、あの日の桂川で見た空のような心で、真っ白な紙に向き合える日を願いたい。
春を告げる「ポム」の名の通り、僕の心に本当の春が訪れるその時まで。

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