根雪下の温度

週末が近づくと、心の深いところに根雪が積もっていく。
あの人は今、暖かく過ごせているだろうか。
体調はどうだろう。
そんな思いが浮かぶたびに気持ちが揺れ、
体も心も前へ踏み出す力を失ってしまう。
何かを始めようとしても手が止まり、
気持ちを整えるために文章を書くしかなかった。
これが、ここしばらくの週末の変わらない基準値だった。

それでも、移動図書館で本を借りて読んだり、
サモおを描いたりする時間はあった。
その日の気分に合わせて選ぶ穏やかな過ごし方。
“無理をしない”という安心感に守られながら、
心を休めるための駅舎になっていた。
こうした日常の積み重ねが、揺れを抱えた自分を支えてくれている。

けれど今日は、少し違った。
大切なあの人から届いた光。
曇り空の裂け目から差し込むように気持ちを照らした。
弱さが消えたわけではないけれど、
歩き出す方向が変わったように感じた。
週末に向けて「こうしたい」と思えたのは、本当に久しぶりだった。

冬アニメの放送予定を調べたり、
カービィのゲームを進めたりするのは、
いつもの延長線にあるインドアの予定なので難易度は低い。
それでも今日は、それだけでは終わらなかった。
近くの家電量販店に、天体観測用の双眼鏡を見に行きたいと思えた。
外出は本来ハードルが高いはずなのに、
その気持ちが浮かんだとき、
「確かめたい」が前に出ていた。

双眼鏡に惹かれたのは、
少し先の景色を見てみたくなったからかもしれない。「銀河鉄道の夜」
夜の校庭で星を仰いだ少年ジョバンニが、
光に触れた瞬間だけ外の世界を眺められたように。
その感覚が、今日の自分にも重なった。

昨日の私も今日の私も未来へ繋げる記録として、
この小さな変化を書き留めておきたい。
ただの予定ではなく、心が動き出した証として。
揺れを抱えたままでも、ぼちぼちでも、
光に導かれながら前へ進んでいる自分を確かめるために。
未来はまだ決めない。
けれど、今日のこの一歩は確かにここにある。

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