澄んだ青を見るたびに

思い出

最近は少し汗ばむほどの陽気が続いている。
今日もあの人から小さなリアクションをもらえて、胸の奥がそっと晴れた。その明るさに背中を押されるように、仕事にも前向きになれる自分がいる。

思い返せば、あの人と過ごした時間には晴れの日が多かった。
どこへ向かうにも空は機嫌がよくて、雲ひとつない青が広がっていた。
雨の日の記憶がほとんどないのは偶然なのか、どちらかが晴れ体質だったのか。
もしかしたら、ふたりともそうだったのかもしれない。

青空の下にいるあの人は、太陽がよく似合っていた。
光の中で笑う姿が自然で、その場所が最初からあの人のために用意されていたように見えた。
今でも晴れた空を見ると、そこにあの人が立っているような錯覚を覚えることがある。

望んでいないものは降らないらしく、明日と明後日は全国的に天気は荒れるらしい。
雪ではなく雨と風。ホワイトクリスマスとは程遠い予報だ。
特別な予定はないし、仕事が終わればまっすぐ家に帰るだろう。
チキンもケーキも食べられない身としては、街の華やかさを横目に通り過ぎるだけになりそうだ。

それでも、食べることを諦めているわけじゃない。
食べられないなら食べられないなりに、できる範囲で工夫すればいい。
調理の経験があるから、食に対しては昔から真剣だ。

術後でも食べられる“豆腐レアチーズケーキ風”というレシピを見つけた。
火を使わず、混ぜて冷やすだけ。
豆腐や乳製品を使った消化にやさしいおやつで、食欲がない時でも口当たりが良いらしい。
もちろん体調と相談しながら、無理のない範囲で少しずつ。
そんな適度な手作りが、今の自分にはちょうどいい。

材料を混ぜる音や香りは、どこか心を落ち着かせてくれる。
甘さ控えめでも、自分なりのクリスマスになる気がする。
何かを作っている時間そのものが、少しだけ未来に向かっているようで、悪くない。

豆腐ケーキを仕込みながら、レアチーズケーキを一緒に作った日のことを思い出した。
あのときの甘い香り、冷蔵庫に入れる前の少し緩い生地の感触。
手のひらが、ちゃんと覚えている。

思い出は、こうして突然戻ってくる。
少し切なくても、どこかあたたかいのは、あの人と過ごした時間が大切で、
その記憶が今も自分の中で息づいているからだと思う。

そしてその灯りが、これからの自分をまっすぐ前へ進ませてくれる。
またいつか、胸を張って会える自分でいたい。そんな気持ちが、静かに力をくれる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました