負けないで、ぼちぼちと

思い出

美術館からそのままの足で物販へ向かった。
大阪フェスティバルホール。初めて訪れる場所。

受付の方に「14時半から先行販売開始」と聞いていたので、
狙っていたグッズを買いたくて、14時には並び始めた。

それでもすでに50人以上が並んでいて、
買えるだろうかと少し不安になりながら列に加わった。

常連の方たちが、世代を超えて音楽でつながっている姿を見て、
なんだか羨ましく感じた。

順番が来て、無事にパーカーとTシャツを購入。
ガジェットポーチは思っていたより大きく、
バッグに入れたときのかさばりを考えて見送った。
そのかわりに、パンフレットを手に取った。

18時の開演まで、電子書籍『坂井泉水の詞を読む』を読み終え、
美術館のブログを書いたりして過ごした。

入場開始の時刻になり、チケットを渡す。
4階まで続く長い長いエスカレーターを上りながら、
ふと、あの人と一緒にワクワクしながら登った海遊館のエスカレーターを思い出した。
あのときの気持ちが、静かによみがえった。

ライブ前にLINEを開いてみたけれど、あの人からの光はなかった。

席は驚くほど良かった。5列目の中央。
ドームで言えばアリーナのような距離感で、胸が高鳴った。

18時30分。会場の照明がすっと落ちた。
「楽しんでいってください」
坂井さんの優しい声が響き、ライブが始まった。

最初は、1曲を2分弱ほどにまとめたメドレー形式。

1曲目 Good-bye My Loneliness
スクリーンにPVが映り、後ろで生演奏が重なるスタイル。
ほぼ最前列だったこともあり、歌詞が目線の高さに流れ込んで、
まっすぐ胸に響いた。

5曲目 In my arms tonight から、涙が止まらなかった。
あの人と過ごした日々が浮かんできて、
今の自分の孤独と重なるところがあったから。

10曲目 眠り
「眠れることが嬉しい」「時計が遠くで聞こえる」
そんな歌詞が、眠りの浅い自分に重なって、
眠れていた日々のありがたさを思い出し、涙がこぼれた。

スクリーンが上がり、演奏者の姿が見えるようになった。
照明にも命が宿ったようで、四方八方へ光が走る。

11曲目 もっと近くで君の横顔見ていたい
スクリーンが上がって最初に流れた曲で、
ライブの流れが切り替わるような、ひとつの転換点だった。
まるで新しい章が始まるように、この曲が広がっていった。

「もっと近くで君の横顔見ていたい」
その言葉が、あの人への想いと重なり、胸に沁みた。

15曲目 息もできない
「息もできないくらい ねえ君に夢中だよ」
「月の照らすジェットコースターが闇を突き抜けていく」
今は乗れないジェットコースターでも、
あの人となら闇の中でも越えていける。
そんな気持ちが浮かんだ。

17曲目 揺れる想い
演奏者さんたちが心から楽しんでいる姿に胸を打たれた。
特にギターの大賀さんと森丘直樹さん。
顔を見合わせて笑いながらのセッションが、とてもかっこよかった。

18曲目 永遠
手拍子はなく、みんなが首で静かにリズムを取っていた。
HIROKIさんの流れるようなヴァイオリン、
藤さん・北野さんの澄んだコーラスがホール全体に響き渡り、
特別な「永遠」になった。

21曲目 来年の夏も
大好きな曲のひとつで、HIROKIさんの優しいヴァイオリンと、
森下さんの力強いサックスの組み合わせが心地よかった。

その音に包まれながら、
あの人とよく映画に行っていた日々を思い出していた。
空白の夏を過ごすあの人が、どうか笑顔でいられますようにと願いながら。

23曲目 こんなにそばに居るのに
各パートの紹介があり、演奏者の息づかいがより近く感じられた。
大賀さんのボトルネック奏法がとにかくかっこよかった。
スクリーンに映る坂井さんの楽しそうな笑顔がまぶしくて、
ふと、あの人の笑顔を思い出し、涙が流れた。

28曲目 My Baby Grand ~ぬくもりが欲しくて~
いろんな方々からの坂井さんへのメッセージと、
バラ・ひまわり・桜などの花の写真がスクリーンに映り、とても綺麗だった。どの花もあの人に似合いそうで、
「この背景であの人を撮れたら」と、思いながら眺めていた。

32曲目 君がいない
大好きな曲のひとつ。黄色の照明が強くて、思わずサングラスをかけた。
好きなあの3音が生で聴けて、本当に感激した。

34曲目 Don’t you see!
サビで会場全体が親指と人差し指を立てて腕を上げていた。
この曲のコールらしい。
2サビから真似した。
あの人に「楽しいライブだった」と伝えたくて、
できるだけ会場の空気に身を寄せたかった。

明るい曲が続いていたので涙は出ていなかった。
だけど、ラストの 負けないで

イントロが流れた瞬間、涙があふれた。
何度も助けられてきた曲だから。

立ち上がって聴く曲らしく、自分も立ち上がった。
会場がひとつになっていた。
特別な号令があったわけではないのに、
イントロだけで空気が変わった。

サビ前は手拍子、サビは拳を上げてリズムに乗る。
終盤、終わってしまう寂しさが会場全体を包み、歓声が湧き上がった。
思わず指笛を鳴らした。

「負けないで」は、これまでずっと“マラソンの歌”という印象が強かった。
でも今日あらためて言葉を聴いていると、
ただ前へ走れと強く背中を押すだけの曲じゃないんだと思った。

坂井さんの声には、
“自分の歩幅でいいよ”
そんなやわらかい温度が、混ざっている気がした。

急がなくていい。
押しつけるでもなく、
それでもそばで寄り添ってくれるような優しさ。

その感じが、いま自分が大切にしている
「焦らず・止まらず・ぼちぼち」
という歩き方と、どこか重なって見えた。

演奏が終わり、坂井さんの写真とともにカーテンコール。
40曲近くをほぼ休みなく奏で切った演奏者の皆さんに、
心からの敬意と感謝を込めて拍手を送った。

ギターの大賀さんが
「みんなで写真を撮りましょう!」
と言ってくれた。
坂井さんの写真を前に、演奏者と客席が並んで集合写真を撮った。
5列目中央だったので、運が良ければ写っているかもしれない。

坂井泉水さんの歌声と映像が、生演奏と重なった特別な夜。
その空気の中で、坂井さんに出会わせてくれたあの人のことが思い浮かび、
感謝の気持ちが静かに広がっていった。

ライブが終わって駅へ向かう途中、LINEを確認した。
大切なあの人から言葉をもらえた。
「BTSライブのことを考えてくれる」と。
その一言が本当に嬉しかった。

慢心せず、自分のできることを丁寧に積み重ねていきたい。
また一緒に楽しめるかもしれない未来を、
焦らずに、ぼちぼちと待ちたいと思った。

今日、この投稿でブログは150回目。
記念の日に、記念のライブ。
心からの感謝を込めて書けたことが嬉しい。

だから今日は、この言葉を胸に置いて締めたいと思う。

ぼちぼちでいい。
止まらなければ、ちゃんと前へ進める。

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