空は心を映す鏡。
今日の自分は、今日の天気のよう。
朝、フロントガラスに落ちた雨粒は、
昨晩届いたひとつの連絡の余韻のように
胸の表面をゆるやかに揺らしていた。
光が差すたびに雨粒は消えていく。
あの人の丁寧で慎重な言葉が、
心にかかっていた薄い雲を
やわらかくほどいていく。
その温度に触れた瞬間、
空の色が少しだけ明るくなった気がした。
それでも、晴れた心の背中には
まだ小さな雲がかかっている。
揺れている。
未来の気圧配置はまだ読めない。
空に答えはないと分かっているのに、
つい見上げてしまうのは、
あの人がくれた光の方向を
確かめたくなるからだ。
視線は前へ向いているのに、
心はまだ上昇気流をつかみきれていない。
羽ばたく準備をしながら、
風待ちの鳥のように、
胸の内側でかすかに震えている。
けれど、その震えは
“揺れながら進んでいる証”でもある。
急がず、止まらず、ぼちぼちと。
完璧じゃなくても、
確かに前へ向かっている自分がいる。
雲の形を見つめ、
風の向きを感じ、
自分の空を自分で確かめていく。
その日の天気がゆっくり晴れていくように、
心の整え方も、ゆるやかでいい。
無理に呼び寄せるのではなく、
あの人が飛び疲れたとき、
ふっと羽を休められるような
落ち着いた止まり木でありたい。
陽だまりの一角でもいい。
ただ、そこに在り続けるだけでいい。
あの人がくれた光は、
僕の空を整える力になっている。
その光に応えるように、
僕もまた穏やかな温度で
自分の空を晴らしていきたい。
今日のこの揺れもまた、
昨日の私も今日の私も未来へ繋げる記録として、
ここに残しておく。


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