最近、金沢のことを思い返す時間が増えた。
理由は2つある。
ひとつは、この3連休に大寒波が来るという予報。
あの人と歩いたあの日、
積もり続ける雪の中で過ごした時間が、
冷たい空気に触れるたびに形を取り戻していく。
もうひとつは、消防団の旅行(1月31日から2月1日)の行き先が金沢だと聞いたから。
出席するかはまだ決められない。
他人との旅行を楽しめるほど、
まだ心の回復が進んでいないと感じている。
そんな背景が重なって、
金沢で過ごした記憶がぽろぽろこぼれ落ちてくるようになった。
とても濃い1日だった。
ひとつのブログでは書き足りないくらいに、思い出が溢れてくる。
あの人が誘ってくれた旅だったから、
僕も自然と「あの人にも楽しんでほしい」と思っていた。
どの順番で回ればお互いに無理なく過ごせるか、
そんなことを考えながら歩いた時間が、
今になってぽろぽろこぼれてくる。
ブログのアイキャッチに使った鼓門。
旅から帰ったあと、あの人を想いながら、
あの日の景色を思い返してペーパークラフトで小さな鼓門を作った。
この鼓門は、あの日からずっと机の上に置いてある。
視線が触れるたびに、
あの人と歩いた時間の光がそっと戻ってくる。
紙を折るたびに感じた金沢の空気が、
今も自分の内側を整えてくれているように思う。
新幹線のホームに立った瞬間、
体の内側が軽くなるような感覚があった。
和風の装飾が施された車内、
窓の外に広がる雪景色。
そのすべてが旅の始まりを告げていた。
わくわくしているあの人の横顔から、
目が離せなかった。
同じ方向へ向かっているというだけで、
心の内側が温かくなるのを感じた。
ゲーマーズで台紙を受け取り、
地図を片手に町へ繰り出した。
蓮ノ空スタンプラリーのポイントを巡りながら、
スタンプを押すたびに
2人で同じ場所に立っているという実感が積み重なっていく。
寒さで指先がかじかんでも、
心の内側には確かな温度があった。
あの人がそばにいるだけで、
景色の色が変わって見えた。
明るい店内で、湯気の立つハントンライスを前に
「おいしいね」と笑い合った。
蓮ノ空の推しメンをお皿の前に置いて撮ったツーショットも、
今では大切な一枚になっている。
料理はもちろんおいしかった。
でもそれ以上に、
“あの人と食べたかった料理を一緒に囲めた”
その事実が、心の内側をじんわりと満たしていた。
大雪だった。
足は雪に取られ、
滑りそうになるあの人を気にかけながら歩いた。
あまりの寒さに動けなくなる瞬間もあった。
それでも、
同じ時間を共有している喜びは
ずっと消えなかった。
街灯に照らされて舞う雪の粒。
足元の冷たさとは対照的に、
心の内側には穏やかな温度が広がっていた。
同じ景色を見ているだけで、
世界が少し優しく見えた。
旅の中でひとつだけ、
空白のまま残っている場所がある。
卯辰山公園。
町は暗くなり、寒さも増してきて、
行きたかったその場所へは辿り着けなかった。
「また今度にしよう」と笑って先送りにした記憶が、
今では柔らかな灯りになっている。
行けなかったことは後悔ではない。
むしろ“いつか”のために残された未来のページだ。
百年以上の時間を積み重ねてきたその公園は、
これからの私たちの時間を
そっと受け止めてくれる気がしている。
未来を決めつけない余白が、
この旅の記憶をより深いものにしてくれた。
金沢で過ごした時間は、
今の私を支えてくれる光の粒になっている。
昨日の私も今日の私も未来へ繋げる記録として、
この旅の光をそっと残しておきたい。
揺れを抱えたままでも、
ぼちぼちと歩いていく。
その歩幅のままで、
未来のページはゆっくり開いていく。
あの人が照らしてくれた光に、
また少し前へ進む力をもらいながら。


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