冬光の出初式

仕事

今年は数年ぶりに、市の消防出初め式へ参加した。
前職では毎年ちょうど繁忙期と重なり、参加できない年が続いていたので、本当に久しぶりの現場だった。

朝8時に集合した時点で、すでに風が強く、気温も低く、体の芯まで冷えるような寒さだった。
開会の10時、国旗と市旗が掲揚される頃には雲が切れ、青空が広がっていた。式典の始まりを祝福しているように感じられた。

我々団員は行進して整列し、式典が終わるまでの約2時間は立ちっぱなしだ。途中、雪がちらつく場面もあった。
本部旗・団旗が登壇し、参加者全員が起立して敬礼で旗を迎えると、会場の空気が一段と引き締まった。

市長の年頭挨拶では、昨年の全国各地での大規模火災、そして市内での火災増加について触れられ、改めて防火意識の重要性を痛感した。
議会からも、災害の激甚化や地域防災の重要性が語られ、消防団の役割がますます大きくなっていることを感じた。

続く消防団長の訓示では、支部大会や水防訓練への協力への感謝、そして将来予測される南海トラフ地震への備えについて力強い言葉が続いた。

年頭挨拶のあと、長年消防活動に尽力した団員・隊員への表彰式が行われた。
今年は久しぶりに式典へ参加できたこともあり、部長から推薦を受け、自分自身も表彰されることになった。

名前を呼ばれ、市長の前に立つ数分間は、寒さよりも緊張のほうが勝っていたと思う。
これまでの活動を思い返しながら表彰状を受け取った瞬間、太陽の光が少し強くなったように感じた。

閉会の儀で国旗・団旗が降納され、式典は厳粛に締めくくられた。
その後すぐに一斉放水訓練が始まり、冬空に放たれる水柱が迫力満点だった。観覧者の方々も寒い中、最後まで見守ってくださっていた。

すべてが終わったあと、仲間たちと交わした何気ない会話が印象に残っている。
「体が固まったわ」「ガチガチでした」
そんな声があちこちから聞こえてきて、みんな同じように緊張していたんだと分かった。
あれだけ寒かったのだから、きっとそのせいもあったのだと思う。
敬礼の指の形や動きのタイミングなど、細かい話で盛り上がるのも、式典後ならではの光景だ。

式典を終えて、仲間たちと並んで歩きながら、ふと思った。
そろそろ退団も視野に入れているけれど、まだ焦らなくてもいい。そんな感覚だった。

今日のように地域のために動く時間は、責任の重さと同時に、自分の歩みを見つめるきっかけにもなる。
急いで結論を出す必要はない。“急がず・止まらず・ぼちぼち”の気持ちで、答えが自然に見えてくるのを待てばいい。

そしてもうひとつ、消防団で計画されていた金沢旅行の話だが、今回は断った。
あの人との思い出が詰まった町だから。

金沢の街並み、空気、あのときの会話。
どれもまだ胸の奥で静かに息をしている。
だからこそ、次にその地に足を踏み入れるのは、気持ちがちゃんと整ってからにしたい。
無理に蓋をする必要も、逆に急いで向き合う必要もない。

未来は決めつけない。
ただ、今の自分にとって大切な距離感を守りながら、また歩いていけばいい。

寒さの中で迎えた出初め式。
久しぶりの参加で、自分の役割や地域の安全を守る責任を改めて感じた一日だった。
そして、表彰という形で一区切りをいただいたことは、これからの活動への励みにもなる。
今年も、できることを一つずつ積み重ねていきたい。

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