いい肉の日に、命に感謝を

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11月29日「いい肉の日」。
元肉屋として働いていた頃を思い出します。肉はただの商品ではなく、確かに生きていた命です。包丁を入れるたびに、その重みを感じ、どうすれば美味しく食べてもらえるかを考える。それが肉屋で働いていた時の誇りでした。

業界用語で「兄貴」「弟」という隠語があります。古い食材を兄貴、新しい食材を弟と呼びます。鮮度管理の合図を伝えつつ、お客さんに不快な思いをさせない工夫として、厨房では「古い肉から使って」という言葉を直接口にせず、「兄貴から」と呼んでいました。

ですが、兄貴は古い肉であっても、調味料を加えれば蘇り、むしろ“味がある”存在になります。ニンニクで力を吹き込み、コショウで引き締め、ごま油で香ばしさを纏わせる。兄貴はただ古いだけではなく、工夫次第で輝きを取り戻すのです。

人間も同じだと思います。年を重ねるほどに、苦い経験も甘い経験も調味料となり、味わい深くなっていく。若い頃はただ真っ直ぐな“弟”だったかもしれない。でも、失敗や後悔を重ねることで、少しずつ“兄貴”のように味が出てくる。

私自身、命を無駄にしようとしたことがあります。たまにその気持ちに襲われることもあります。けれど今は、命を大切にしたいと思っています。
過去の苦い経験も、未来へつなぐための調味料になるのだと信じています。

いい肉の日は、命に感謝する日。肉を食べることは命をいただくこと、その命が自分の命を支えていることを忘れずにいたい。今日の一口を未来へつなげる記録にしていく。それが、兄貴も弟も、そして私自身の命を大切にすることにつながるのだと思います。

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