今日は、ゆっくり体を起こして、なんとかシャワーを浴びることができた。
湯気の中で少しずつ体がほぐれていく感じがして、こういう小さな積み重ねが今の僕には大事なんだと思えた。
あの人を誘ったLINEには、まだ返事はないけれど、
きっと今は、それぞれのペースで過ごしているだけだと思う。
ぼちぼちの歩幅でいくつもりが、少し急ぎすぎたのかもしれない。
急な誘いだったし、驚かせてしまったかもしれない。
それでも、あの人が揺れながらも僕を見てくれていることを感じている。
その気持ちを大切にしたい。大切な人だから。
あの日、久しぶりに会えたのに、言葉がうまく出てこなかった。
声を聞きたかったのに、何を話せばいいのか迷ってしまった。
だから提案した。「しりとりしませんか?」と。
寒い外を歩かせるから、少しでもあたたかくなればと思って
“温かいものだけ” のルールをつけた。
あの人は驚いていたと思うけれど、
それでも楽しもうとしてくれて、真剣に向き合ってくれた。
出てきた言葉は、食べ物や動物。
やっぱり食べ物が多かった。
しりとりって、記憶の近くにあるものが自然と出てくる気がする。
ルールは時々変えたり、ぼちぼちで。
悩んでいるあの人を見ると可愛くて、
その文字がその文字だけであたたかくなるなら、それで十分だと思えた。
“特殊ルールもOK”“時と場合もOK”。
選択肢を増やしたのは、縛りではなく、
余白のある時間にしたかったから。
一緒にいる時間を、少しでも楽しく、気楽に過ごしてほしかったから。
「う」で悩んでいたあの人に、ジェスチャーで助け舟を出した。
伝わった瞬間、嬉しかった。
あの人は「ぎょうざ」と答えた。
ずっと作ってあげたかった料理。
その言葉が出たとき、胸が少しざわついたけれど、
話題を押しつけたくなくて飲み込んだ。
あの人には、自由に感じていてほしい。
僕は「ポテト」と答えた。
手術してから食べられていないけれど、
あの人との思い出の味だから。
少し胸が熱くなった。涙がすっとこぼれて、ほんのり塩の味がした。
僕は「うさぎ」とも答えた。
お寺であの人が眺めていた姿を思い出すと、今でもあたたかい。
隣にいたあの人を感じられる動物だから。
2人で「る」を考えた。
温かいものが出なかったから、「ルンパッパ」
あの人がカイロを温める姿が、マラカスを振っているみたいで、
心がほどけた。
2回目の「る」は「ルマンドパイ」
2人で一緒に考えた。
冷たいものを温かくするあの時間が、
自分たちの関係をそっと温め直すようで、とても心に残っている。
もっと続けたかった。
最初は二つのルールでも、選択肢は増やしていけばいい。
その時々のしりとりを、これからもゆっくり続けていけたらいい。そんなふうに思っている。
昨日の私も、今日の私も、
未来へそっと繋がっていく記録として。
押さず、求めず、
ただ光をそっと置いておくように。


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