あの人が電話をかけてくれた。
自分の体を心配して、夜の帰り道、風が強くて寒い中で。
嬉しかった。
でも同じくらい、あの人の体の方が心配になった。
手は冷えていなかっただろうか。
窓を開けて空を見上げた。肩が上がるほど寒かった。向こうは雪がちらついているのかもしれない。
どうか無事に家に着いていますように、と静かに願った。
少しだけ音楽の話もできた。
尾崎豊さんの「僕が僕であるために」
あの人が大好きだと教えてくれた曲。
毎日聴いていると伝えた。
あの人は、ライブ動画の方も好きだと言っていた。
僕も好きだ。動画ならではの表情や息遣い、汗が光る瞬間。
そして、シンプルな服装で、ギター一本で歌う姿。
その魅力を、もっと一緒に共有したいと思った。
昭和の曲の、まっすぐな歌詞が好きだと教えてくれた。
坂井泉水さん、中森明菜さん。
一緒にドキュメンタリーやライブ映画を観に行った日のことも思い出す。
あの日の映画は、映像が半分、あの人の横顔が半分だった。
今はもっと、歌に込められた想いや言葉を知りたいと思う。
それを見てどう思ったか、どう感じたかを、同じ温度で語り合えたらいい。
坂井泉水さんの35周年ライブの話もした。
チケットがお互いに取れたらいいな。
あの人の声は、本当に心が落ち着く。
涙が止まらなくなるほどに、優しさで溢れている。
薬が効いて、少し眠気が増してきた。
右の耳を枕に当てながら、あの人の温もりが少しでも長く続きますように、とそっと願う。


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