青空が見れない。
いい天気なのはわかる。日差しもあって、暖かいのに。
今日のライブ。
あの人が来られない理由は、結局わからないままだ。
ただ、どうかゆっくり過ごせていたらと思う。
体調を崩していないだろうか。感染症も流行っていると聞くから。
あの人へ、BTSのライブを提案した。
あの人からの光はまだ届かないけれど、
たぶん、あの人も心が揺れているのだろう。
僕と一緒に楽しむことを、どこかで考えてくれているから。
あの人に安心してもらうには、どうしたらいいんだろう。
孤独だ。呼吸が浅くなる。
苦しい。
どれだけ自分を変えようとしても、変われていると自覚があっても、
あの人の中で僕は、どこまでも未成熟な存在なのだろうかと思ってしまう。
あの頃の僕は、愛し方を知らなかったのかもしれない。
あの人のためにこうしてあげたい、そう思う気持ちは、
愛することとは違っていたのだろうとも思う。
言葉にできない孤独が、静かに身体の内側に広がっていく。
あの人に触れられることもなく、
必要とされている確信もなく、
ただ、自分の想いだけが行き場を失って漂っている。
あの人を想うほどに、自分の影の深さを知ってしまう。
傷つけたいわけじゃない。
困らせたいわけでもない。
ただ、心の奥にしまっていた想いが、
どこにも置けずに震えているだけだ。
ライブへ向かう電車の中で思う。
僕は坂井さんの歌を聞く権利があるのだろうか。
愛に対して未成熟な人間かもしれない自分が。
電車の中でまた涙が溢れてくる。
こぼれそうになって、シートから立ち上がった。
手先は器用なほうだけれど、言葉は不器用だと自覚している。
その不器用さを感じるたびに、胸に痛みが広がる。
それは悲しいことだ。
けれど、その悲しみもまた、
昨日の僕から今日の僕へ、そして未来へ繋がるひとつの記録になる。
誰かを想う形は、人の数だけある。
それでも、届かなかった想いの痛みは、
こうして言葉にすることで、少しだけ前に進める気がする。
坂井さんの歌を聞くことで、
自分の中で何かが変わるのだろうか。
昨日誓ったように。
あの人に今日のライブを伝えられる日が来たら、
その場を共にしたように感じてもらえるほど、
今日のライブを心に刻みたい。
フェスティバルホールに着いた。
朝ごはんを食べられずにいたので、小腹がすいた。
PRONTOのカフェに入る。
ここも、あの人と入ったことのあるカフェだ。
頼んだのは、フルーツルイボスティーとチーズトースト。
チーズは手術をしてから久しぶりに食べる。
今日も日常が、あの人で染まっていく。



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