久しぶりに、試験という独特の緊張感に身を置いた。
これほどまでに集中したのは、前職の昇格試験以来かもしれない。
朝、大切なあの人からもらえた光。
その温かく力強い応援に応えるように、見上げた空はどこまでも高く、澄み渡るような青だった。
まるで世界全体が味方してくれているような、そんな心地よい錯覚すら覚えた。
試験では、正直わからない問題もあった。
けれど、それはこれからの自分がテキストで学び直せばいいだけのこと。
わからないことは、自分の伸び代だ。
今の自分にできる全精力を注ぎ込み、未来の自分に対して「精一杯頑張れた」と胸を張れる時間にできたと思う。
結果は最終日。
不思議と、今の自分を信じられる感覚がある。
大丈夫、僕ならいける。
夕方の散歩道。
津保川の支流が近いのだろうか、ふっと水の匂いがした。
その気配に、胸の奥が少しだけゆるむのを感じた。
ふと見上げると、空には半月に近いふっくらした月が浮かんでいた。
淡い光が、まだよく知らない街の輪郭をそっと照らしていた。
スーパーやドラッグストアも近くにあって、不自由のない穏やかな街だ。
地元に近いロケーションだからか、歩いているだけでどこか安心できていた。
今回のホテルは、本当によかった。
種類豊富な朝食バイキングに、一日の疲れをそっと溶かしてくれる大浴場。
もっとゆっくり、この街も、このホテルも味わいたいと思った。
明日は実技講習。
場所が変わるため、早朝にはチェックアウトして出発しなければならない。
またいつか、今度は観光でゆっくり来よう。
そう心に決めて、明日の自分へバトンを渡す準備をしている。
散歩を終え、ホテルの部屋で静かに夜を待っている。
あの人は、きっと仕事が長引いているのだろう。
どうか無理をしていませんように。
今日一日の疲れが、少しでも癒やされていますように。
私はここで、ゆっくりと待っている。
だから、あの人は自分のペースで大丈夫。
明日は実技。
今日という一日を乗り越えた自分なら、きっと明日も大丈夫だと思える。
早めに目を閉じて、明日に備えよう。
静かな夜の中で、そっと呼吸を整えながら。


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