目が覚めてから一時間が経つ。
掛け布団の模様を眺め、次は丸まって敷布団の模様をじっと見つめていた。
「笑う」とは、どんな感覚だっただろうか。
最後に表情筋が動いたのは、初笑いの日か、あの人と話せたあの日だったか。
布団に潜り込むと、次第に酸素が薄くなっていく。
呼吸が浅くなり、慌てて深く吸い込もうとする。
だが、肺に入る空気はさらに薄くなり、また呼吸が浅くなる。
その繰り返しだ。
今日こそは、自然に触れに行こうと思っていた。
けれど、「どこへ行き、何をすればいいのか」と考えた瞬間、答えのなさに涙がこぼれた。
目標がほしい。やりがいがほしい。一日を充実させたい。
光のある外へ出たいのに、この六畳一間から一歩も踏み出せない。
昨日、言葉を交わしたのは、スーパーの店員さんだけだ。
あの人は今、無理せず働けているだろうか。
誰かと笑い合っているだろうか。
僕は働くことも、笑うことも、まともに人と話すことさえできない。
暗くなるスマホの画面を、消えないように何度もタップする。
まるではかない光を、必死に繋ぎ止めるかのように。


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