風にさらわれた現在地

読書

肌寒い一日だった。

強く吹きつける風のいたずらか、本に挟んでいた栞がひらりとどこかへ飛んでいってしまった。

それは自分の現在地を示す標識のようなもの。今の僕には、自分自身の居場所さえも風にさらわれてしまったかのように感じられる。

あの人へメッセージを送った。

ただ純粋に、あの人の幸せを願う気持ちを言葉に乗せて。

けれど、期待していた温かな光が返ってくることはなかった。

これまで伝えてきた想いは、決して偽りではない。僕にとって、あの人はそれほどまでに大切で、かけがえのない存在なのだ。

どうしても気力が戻らず、日課の筋トレも今日は手につかない。

二日も空けてしまうのは、習慣にしてから初めてのことだろうか。

「明日はできるようになりたい」……そんな小さな願いを絞り出すのが精一杯だ。

昨日の話に、あの人は引いてしまったのだろうか。

僕という人間を、その真意を理解してもらえないことが何よりも悲しく、胸に刺さる。

趣味を分かち合い、心を寄せ合える人は、もう僕の周りにはいないのかもしれない。

そんな孤独に飲み込まれそうな、ひどく辛い夜である。

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