手術を終えて、少しずつ日常を取り戻そうとしている。
あの人は、言葉よりも優しい合図で僕を支えてくれた。
その小さな灯りに、どれだけ救われたか分からない。
昨日、「雨の日が好きだ」と話した。
雨の音は心を落ち着かせてくれる。
でも、夜空だけは晴れてほしい。
星が見えなくなるから。
星は、あの人とのつながりだ。
同じ夜空を見たいと願う気持ちが、そこにある。
できることなら、隣で空を見上げたい。
七夕。僕にとっては特別な日だ。
その理由は、また別の日に静かに語りたい。
織姫星のベガ、彦星のアルタイル、はくちょう座のデネブ。
夏の大三角が夜空に浮かぶたび、きっとあの人のことを思い浮かべるだろう。
来年の七夕には、サモおが白鳥に乗って織姫に会いに行く
そんな構図の絵を描いてみたいと思う。
それは、僕なりの祈りのかたちだ。
七夕は今の暦では7月7日だけれど、本来は旧暦の行事で、今の8月頃にあたるらしい。
梅雨のさなかの7月が曇りやすいのも当然で、
昔の七夕は、もっと澄んだ空の下で星を見上げる行事だったという。
石垣島など一部の地域では、今も旧暦で七夕を祝うと知ると、
星を待つ気持ちは、昔も今も変わらないのだと思う。
七夕の日は、一年でいちばん多くの人が夜空を見上げる日だろう。
離れた光が年に一度だけ出会うように、
僕の祈りも、どこかでそっと届けばいい。
胃の検査は来年。
再発の可能性がゼロではないことも分かっている。
だから僕はこれからも、毎食、胃に負担をかけない食べ方を続けていく。
あの人の食べ方を思い出しながら、ゆっくり、丁寧に。
まるで胃に語りかけるように
「大丈夫だよ、焦らずゆっくりでいい」と。
その姿勢は、今の僕の気持ちともどこかで重なっている。
あの人にはあの人の時間がある。
だから僕は、焦らず待つと決めた。
期待も、不安も、感謝も、祈りも。
全部まとめて、今日の記録としてここに置いておく。
またどこかで、静かに笑い合える日が来るといい。
その日まで、僕は僕の歩幅で進んでいく。


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