連休の賑わいが嘘のように過ぎ去り、今日からまた日常が始まった。
空は驚くほど晴れ渡っているけれど、僕の心はどこか置き去りにされたままだ。
仕事は、朝から大量の型材の検品作業。ひたすら続く確認作業に、休職明けの体は正直悲鳴を上げている。特に腰の痛みがじわじわと響いて、思うように動けないもどかしさがあった。
結局、20時まで残業。
そんな僕を見て、役員が「無理しなくていいんだよ、まだ戻ってきたばかりなんだから」と声をかけてくれた。明日は強制的にノー残業、17時半には退社するようにと指示を受ける。時間ができたらジムにでも行って汗を流そうかと考えたが、どうにも気が晴れない。
その理由は、昨夜見た「夢」のせいだと思う。
夢の中で、僕は前職の仲間たちと劇の準備をしていた。演目はたぶん『オペラ座の怪人』。僕は大道具と脇役を兼ねていて、みんなで大きなシャンデリアを吊り上げたり、慌ただしく舞台を整えたりしていた。懐かしい顔ぶれ、活気のある空気。準備が終わった後、みんなで食べたカツ丼は、夢の中なのに信じられないくらい美味しかった。
本当に、ただただ楽しかった。
でも、それはもう「失ってしまった居場所」だ。
ああ、僕はもう、あの場所には戻れないんだ。
ふと、右腕にチクリとした違和感を覚えて手を振る。とまった蚊を叩き潰した瞬間、意識は一気に現実へと引き戻された。開け放たれた工場のシャッターから、夜の虫が入り込んできているらしい。
蚊に刺された痕を見つめながら、しばらく茫然と立ち尽くした。
過ぎ去った日々への懐古と、今いる場所。
夢のような高揚感に包まれる日は、この先いつか、また僕の元を訪れてくれるのだろうか。

コメント