「闇」から「光」へ、僕の休日

仕事

カレンダー通りの休日。だけど僕の足は、朝から工場へと向かっていた。

締め切りが迫っている案件があり、どうしてもプログラムを組んでおきたかったのだ。とはいえ、会社から正式に許可を得ているわけではない。いわゆる「闇出勤」というやつだ。

ただ、今日のそれは僕にとって「病み出勤」でもあった。

ここ最近の忙しさにかまけて、病院で処方箋をもらう時間を作れずにいた。そのため、今朝は飲むべき薬を飲めていない。せっかくの休日なのに……という憂鬱さと、誰もいない静かな工場、そして薬切れのダブルパンチで、心に少しずつ “病み” の霧が広がっていくのを感じていた。

工場の天井を見上げると、大きなホイスト(クレーン)が視界に入る。最大2トンまで吊り上げられる頑丈なものだ。

実は、去年休職する直前、精神的に激しく追い詰められていた僕は、このホイストを見上げて「これで首を吊ろうか」と本気で考えたことがあった。暗闇の底にいた当時の記憶が、一瞬だけ頭をよぎる。

だけど、今日の僕は違った。

暗がりの中で重い型材を運び、淡々と3階の倉庫整理をこなしていく。体を動かしているうちに、少しずつ心が落ち着きを取り戻していった。

お昼になり、予定通り作業を切り上げる。

重い工場のドアを開けて外に出た瞬間、眩しい太陽の光が全身を包み込んだ。まるで「お疲れさま」と声をかけてくれたような気がして、張り詰めていた気持ちがふっと軽くなった。

街へ出ると、驚くほどの賑わいだった。絶好の観光日和ということもあり、大勢の観光客で溢れ返っている。さっきまでの暗い工場が嘘のようだ。

午後は、予約していた烏丸のビル6階にある「大美会クリニック」へ。

目的は、顔の髭脱毛だ。事前に皮膚麻酔をしてもらったのだが、いざ施術が始まると、麻酔をしていてもやっぱり痛い。思わず顔をしかめてしまうほどの刺激だった。

けれど、不思議なものだ。

このレーザーの痛みが、僕にとっては「生きている実感」のようにも思えた。

去年のあの絶望の中にいた自分と、痛みに耐えながら自分を整えている今の自分。

「よし、明日からまたがんばろう」

帰り道、少しヒリつく顔を撫でながら、そんな風に自分を鼓舞している僕がいた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました