「目の上のたんこぶ」の独り言

仕事が終わって外に出ると、ポツリポツリと雨が降り出した。

空の色がそのまま今の僕の心を映しているようで、なんとも言えないもやもやした心地になる。

本当は定時で上がってそのままジムへ向かうつもりだった。けれど、どうしても足が向かない。そんな日だってある。無理をして鉄を上げるよりも、今は心の休息が必要なんだろうと自分に言い聞かせ、真っ直ぐ家に戻ってくつろぐことにした。

ふと、前職の職場のことが頭をよぎる。

今の時期、あちらはそろそろ決算の佳境に入っている頃だろうか。慌ただしく数字を追う皆の姿が目に浮かぶ。

「あいつ、今頃どうしてるかな」なんて僕の話題が出ることはあるんだろうか。それとも、去った人間はもう過去の遺物、あるいは「目の上のたんこぶ」のような存在として、記憶の隅に追いやられているのだろうか。

そんな湿っぽい思考を振り払いたくて、夕飯はがっつりと牛丼を選んだ。

これでもかというくらいチーズをたっぷりとかけて、口いっぱいに頬張る。

やっぱり牛肉の力は偉大だ。脂の旨味とチーズのコクが合わさるにつれて、沈んでいた気分が少しずつ上向いていくのがわかる。単純かもしれないけれど、この「美味しい」という感覚が、今の僕には一番の薬だ。

そういえば、今日から『蓮の空』の映画が公開されたらしい。

上映期間中のどこかで、ふらっと劇場まで足を運んでみようと思う。

明日は今日よりも、少しだけ前を向いて歩けますように。

さて、明日もまた、僕なりに頑張ってみよう。

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